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北海道新聞社健康保険組合
 

季節だより

vol.7 
人間ドック体験記
2011年5月12日(木)、13日(金)

人間ドックは「看護の日」?

今年の5月は、週末になると雨模様で、気温も一向に高くならない。そのせいか2週目に入って、ようやく札幌でも桜の開花が伝えられるようになった。

12日は、人間ドックの日だ。私がこの日を選んだのは、ナイチンゲールの誕生日で、日本では「看護の日」に制定されているからだ。ということになってしまった。
数日前に飲みに出たススキノで、
「12日はドックなんで、今日が飲み納めだよ。」するとママさんから、
「飲み納め?普段の生活習慣を診てもらうべきよ。それにしても、看護の日にドックを選ぶなんて、さすが!」と言われたので、
「そうだろ。健保の事務長としては当然だよ。」と応じたからだ。
看護の日なんて初めて聞く話だったが、知ったかぶりをしてしまった。もちろん理由は木、金を特休にすると4連休になるからに決まっている。

私は毎年、Mクリニックに行く。桜の名所で知られる北海道神宮の近くにあり、宿泊が認められているのは、札幌ではここしかないからだ。

梅は咲いたか 桜はまだかいな 平岡梅林公園

ドックの受け付けは午後からなので、ちょっと肌寒かったが天気がいいので、妻と平岡の梅林公園へ出かけた。

入り口の掲示板に<白梅は1分咲き、紅梅は未開花>と張り出されていたが、紅梅含め、ちらほら咲いていた。北海道では梅と桜は、ほぼ同時に咲く。 「梅ソフトでも食べたら?」 「お父さんは?」
「俺は、ドックだから遠慮しておくよ。」
「それなら、私も遠慮するわ。」仲の良いおしどり夫婦のような会話だが、喧嘩をすると手が出るのは妻のほうだ。

姑息な手段 今年も

家に帰ってから、銭湯に行く。サウナに入って体重を落とすためだ。ゴールデン・ウィークの暴飲暴食で、体重が去年より3キロも増えていた。5日前に気付き、酒を断ち、運動もしたが、1.5キロの減量が限界だった。残りをサウナで落とす。去年も使った姑息な手を今年も使った。

地下鉄ひばりが丘駅までは妻の軽自動車で送ってもらい、円山公園駅で降りてクリニックに着いたのは、12時50分だった。

すでに、M局のMさんが受付を済ませており、S局のIさんとTさんは健診着で受診中だった。その他にも色んな企業戦士たちが、明日からの戦いに備えるため、自分の体を総点検していた。
私も受付を済ませ、303号室の鍵をもらい着替えをした。

血圧は微妙 上131 下86

尿を採取したあと、血液検査のため、血を容器4本分抜かれた。

問診での血圧検査は上131(収縮期・血液を全身に送り出すために心臓がぎゅっと縮み、血液が押し出されたときに血管壁を押し広げる圧力)、下86(拡張期・全身を巡っていた血液が心臓に戻り、心臓が広がっている状態のときに、血管壁にかかる圧力)だった。
「薬を飲んでいますから、こんなもんですよね。」私の問いに、
「上は130以下、下は85以下だと、もっといいんですが…。」
マイナス1がどう影響するのか、なんとも微妙な数値だ。
「明日は、胃カメラですが、具合が悪くなったことはありませんか?」
「それは大丈夫ですが、ここは鼻から入れるタイプはないんですよね。」
「来年の課題には、挙がっているんですよ。でも、鼻のタイプは管が細くて、カメラも小さいですから、見逃し易いんですよね。」
「なるほど、一長一短あるわけですね。」

診察では聴診器をあてられたが、胸の雑音はないと言う。去年と同じ、女性なら胸がドキドキするほどのイケメン医師だ。

勘が冴えた? 視力検査

視力検査は眼鏡をかけて0.9と0.8で、左右とも去年より改善されている。しかし、自覚症状は、去年より見えにくくなっていた。理由は簡単だ。検査はCの穴がどちらを向いているかを当てるというもので、確立は25%。つまり、今回は勘が冴えたということだ。

被曝か早期発見か それが問題だ

次に頭部CT。診療検査技師が鉛の入った防護服をしっかりと着込んでいた。被曝が頭をよぎり、ちょっと、うろたえたが、

「ここに仰向けに寝てくださいね。」とやさしく言われたので、まな板の鯉状態になり、おとなしく受けた。

そのあとに、胸のレントゲン写真を2回撮られたので、さらに被曝した。

頭部で1.5ミリグレイ。胸が正面0.07ミリグレイ、側面が0.25ミリグレイ。合わせて1.82ミリグレイの被曝量が多いか少ないか、私には分からない。

しかし、頭や胸の病気を見過ごすリスクよりましだと思ったのは、年齢が50代後半だからだろう。放射線の影響が出るのは20、30年先の話しだからだ。

偽装体重 今年も成功

このあとに、身長、体重、肺活量の測定が待っていた。

「ハイ、台に上がってジッとしていて下さい。」身長と体重が同時に測れる。
去年は82.2キロだった体重は、今年も82.4キロとほとんど変わらない。5日前に85キロだったとは思えない好結果だ。サウナで落とした偽装体重だが、今年の記録として残るので、とりあえず作戦成功としておく。しかし、これが思わぬ個所に悪影響を及ぼしていることになるとは、このときは知らかった。

超音波なんてこわくない 腹部エコー

超音波で腹部を見る。一昨年までは、肝臓や腎臓に影が映り、再検査を宣告された。しかし、「原因は、加齢による、のう胞。つまり、歳のせい!」と判明し、去年から再検査の必要はなくなっていた。今年はリラックスして受けられるようになった検査だ。

「ワタナベ様。どうぞ。」と呼ばれたので、さりげなく「渡部(ワタベ)ですが…。」と言ってみたが聞き流されてしまった。
バインダーにはカタカナでふりがなが付いているのだが、漢字の持っている先入観がそう読ませるのだろう。

若者は操作が得意 眼圧検査

眼底、眼圧検査は新人だった。先輩指導員にあれこれ指示されていたため、段取りに手間取っていたが、機器の操作は上手だった。

いつもなら、目に風を吹きつける検査で、何度もやり直したが、今回は1発オーケー。
今時の若い人は、段取りは苦手だが、機器操作は得意ということをつくづく感じた。

若いってすばらしい 血管検査

次は、血管の状態を調べる検査だ。血圧計のようなものを両手、両足にはめて仰向けに寝る。同年代より若い血管を持っているという結果が出た。鏡を見ると同年代よりふけ顔だが、鼻が2センチほど高くなっているように見えた。やっぱり、若いってすばらしい。

ブラボー メタボ決定!

心電図をとってから、腹囲を測定された。

書き込まれた用紙をのぞき見すると、91センチと書いてある。
(ブラボー。1センチしかオーバーしていない。メタボじゃないかも!)と思っていると、
「6センチオーバーですね。」と言われた。
90センチは女性で、男性の場合は85センチ以上がメタボだという。

最後に耳の検査をした。

「左耳の高い音が聞こえにくいですね。」
「はい。去年も言われましたが、日常生活では不自由してないんですよ。特に女房の小言は、左耳で聞くようにしていますから。」
「そうですか。それならいいですね。」

14時20分に初日の検査を終え受付に行く。

「これで、すべて終了しました。あとは明日の胃カメラです。昼食をお取りになってください。このあとの予定は、この紙に書いてあります。」
「夕食は何時からですか?」
「18時からになります。」
「18時ですか…」憂いを込めた視線を受付嬢に浴びせた。
夕食時の混雑を避けるため、少し早く済ませたいと思っていたので、長靴を履いた猫ばりの視線を送ったのだ。さぞ、薄気味悪い思いをしただろうが、
「何時をご希望ですか?」と聞いてくれた。
「17時か、遅くとも17時半頃だといいんですが?」
彼女は、食堂の係員にお願いしてくれた。私の希望は17時で実現した。

花よりジンカン 北海道神宮

昼食は、円山御膳を注文した。厚くて大きなハンバーグに、おろしがかかっている定食が運ばれてきた。

夕食までは、3時間ほどあったので、もう一つの目的である、神宮の桜を見物することにした。
第一鳥居をくぐると、参道の両脇に植えてあるエゾヤマザクラは満開だった。
本殿で健康祈願をしたあと、園内を散歩した。ブルーシートに陣取った花見客の8割はジンギスカン鍋をつついていた。
私も、お腹がすいたので、クリニックに戻った。

夕食は、他の人達より1時間も早くセットしてくれたので、一人でゆったり食べることができた。しょう油味の鍋物で具は比内地鶏と豚肉が中心だった。そのほかに、マグロ、サーモン、ホタテのお造りに、もずく酢が付いていた。満足して頂いたが、何かが足りない…。

その夜の夢で、ビールを浴びるほど飲むことになる。

今年も飲むぞ! 胃カメラ

2日目は朝から小雨が降っていた。週末はいつもこうだ。

胃カメラは9時20分からと決まった。
リクライニングに横になり、胃の泡を消す白い液体を飲む。看護師さんが、喉に麻酔薬を入れるため注射器で差し込む。これは飲んではいけない。喉の奥に5分ほどためておく。最後に胃の活動を抑える皮下注射を打って準備は完了する。4回目なので、手順を覚えてしまった。
去年は確か、こんな人がいたっけ…。
前のリクライニングの男性が白い液体をなかなか飲み込めないでいる。看護師が喉の麻酔薬を入れようとすると、
「やめてください!心の準備をください。」と哀願している。この段階でパニックを起こす人を初めて見た。

この日、私を担当した看護師さんは、新人だった。立ち居振る舞いは堂々としていたが、皮下注射を打つときに手が震えていた。それがわかって、逆にこちらの緊張がほぐれたのは何故だろう。一所懸命にがんばっている看護師さんに対し、私も一生懸命にカメラを飲むぞ!と思ったからだろうか。

おかげで、カメラは比較的スムースに入った。
「胃の噴門部が赤くなっていて、ちょっとゆるみがありますね。でも前回同様心配することはありません。」

これで、健診はすべて終了した。受付にバインダーを返す。

「当クリニックでの健診は、すべて終了いたしました。このあと、結果報告がありますので、着替えをして10時20分に3階のロビーでお待ちください。」

5日の禁酒が水の泡 ガンマーGTP299

今までの結果報告は、すべて男性医師だったが、今回は女性の保健師さんだった。

「基本的には、去年と変わりありませんね。」
「ガンマーは、いくらでしたか?」
結果表を指で示して
「299ですね。高いですね。休肝日を設けることをお勧めします。」
「休肝日どころか、このために5日も酒を断っていたんですよ。酒をやめる必要はなかったということですね。がっかりです。」
2年前に1カ月断酒して93まで下がった実績があったので、100代は覚悟していたのだが、あまりの数値の高さに愕然とした。

体重偽装の罰 尿酸値と腎機能

「お酒を控えられたから、この数値で抑えられたんだと思いますよ。あと尿酸値と腎機能の数値も高いですね。」

「実は、体重を落とすために、ドック直前にサウナで1キロ落として、水を一滴も飲まずに血液検査をしたんです。それと関係ありますか?」
「あらまあ。それは大変。大いにあります。原因はそれですね。水くらいなら飲んでも構わなかったんですよ。」
「そうなんですか。体重を偽装した罰ですね。すみません。」
「治療中の薬は、今後も続けることですね。それがあるからこの結果が出ているのですから。」
「わかりました。ありがとうございました。」
再び、2階の受付へ行き、料金を支払った。
「朝食は1階で用意してございます。喉の麻酔がとれましたら召し上がってください。」
朝食を済ませて、帰路についた。

主治医に報告 HKクリニック

私は、2カ月に1度、自宅近くの病院に通っている。ちょうど、服薬中の薬が切れたので、ドックの報告も兼ねて、薬を処方してもらうことにした。午前の受付は12時までだが、何とか間に合った。しかし、呼ばれたのは13時40分。2時間以上待たされた。

「薬が切れたので、お願いします。」
「そろそろ、人間ドックですよね。」
「実は、昨日、今日と受けてきたんですよ。これが、速報値です。」と健診結果表を差し出した。
「去年と、変わりないようですね。」
「胃の内視鏡の写真もあります。」
「ああ、少し赤いですね。進行度はレベル1ですね。」
レベル別の写真を見せて、私の逆流性食道炎の進行度合いを説明してくれた。
「今後も、今までのお薬を出しますから、飲んでくださいね。」
「ドックでも同じことを言われました。」
終わったのは13時50分。昼の患者を診るのが14時からなので、先生のお昼休みは完全に吹き飛んだことになる。

今回の人間ドックで…

私の肝機能は5日の禁酒では、元に戻らないことが判明。サウナで落とした体重は2日で戻ることが判明。私の主治医である美人女医の人気はすさまじく、特に金曜日はお昼もとれないことが判明した。

(終わり)
Copyright  Hokkaido Shimbun Health Insurance Society.