トップページへ
組合概要
こんなときは?
健康保険のしくみ
健保組合とは
加入者の範囲
手続き
保険料の仕組み
保険給付の内容
保険事業の内容
 
Pep Up
人間ドック
乳がん・子宮がん検診補助
PETがん検診
契約レク施設
メンタルへルス電話相談
セクハラ電話相談
歩数計・うがい薬の配布
インフルエンザ予防接種補助
データヘルス計画
特定健康診査・特定保健指導
予算・決算
個人情報の取り扱い
お問合せ先 てl011-210-5542 FAX011-210-5561
北海道新聞社健康保険組合
 

季節だより

 

vol.1 北海道連合会 「健保歩く運動」
2010年10月2日(土)

 秋日和の土曜日に行われた北海道連合会主催の「歩く運動」に、家族を連れて初めて参加してきました。普段の通勤など、意識して歩くことを心がけている私ですが、皆と歩くことが、こんなにもすばらしく、しかも楽しいということを知りました。

家族で初参加

 「もしもし、I さんですか?道新健保のWです。今回、初めて参加するので、よろしくお願いします」
 「わかりました。こちらこそよろしく」
 「明日は何人くらい集まったんですか?」
 「39人になりました。天気も良さそうですし、真駒内駅の自転車置き場でお待ちしています」

今年は総勢39人 コースは真駒内駅からキリンビール園

 I さんは北海道連合会の事務局長で、明日行われる「歩く運動」の主催者でもある。今年で35回目を数える健保連の伝統行事の一つになっていた。
 去年は46人参加し、厚別の青少年科学館から南郷4丁目のアサヒビール園を目指す8キロ弱のコースを歩いた。
 今年は、北農8人(うち小学校低学年2人)、北電1人、道銀2人、道信金3人、楢崎1人、エア・ウォーター2人、コカ・コーラ2人、CPU関連6人(うち幼児2人)、全国印刷工業4人、連合会6人と私の妻、長女(小6)、次女(小4)を含めた39人が、真駒内駅から中の島にあるキリンビール園を目指して約8.5キロのコースを歩く。

間に合わない!

 「お父さん。今何時だと思ってるの!まだ5時半じゃない。もう1時間寝させて!」
 年のせいか、日の出と伴に目が覚める。かといって日没で眠くなる訳ではない。老い先が短くなると、起きている時間をなるべく長くして、人生の帳尻を合わせようとする男のせこい本能が目覚めたせいだ。
 仕方なく、夜行性のため、朝は眠っているペットのハムスターをたたき起こして時間をつぶした。

 「そろそろ時間だよ。どうやって行こうか?」
 「バスで行くわ。8時1分発があるから、それで行かない?」
 上野幌の我が家から市バスを使うと地下鉄大谷地駅まで10分。大谷地駅から大通りまでは17分、さらに大通りから真駒内駅まで16分。乗り物だけで43分かかる。残りの16分を移動時間に当てなければならない計算だ。

 「何だよ。集合時間の9時に間に合わないじゃない。それに真駒内の集合場所は現地に着いてみないと、わからないんだよ」
 「じゃあ、車で行って大谷地の駐車場に入れる?」
 「いくら掛かる?」
 「8時間くらいだから1600円かな」
 「わかった。バスで行こう」男のせこい本能が再び目覚めた。

 現地には8時50分に到着した。移動時間は6分。息も少々上がっている。本番の「歩く」前にどれだけ「走った」かがわかる。
 駅を出ると、集合場所はすぐわかった。信号を渡った広場に大勢人が集まっていたからだ。

その手があったか

 「おはようございます。よろしくお願いします」
 連合会のN常務理事とI さんに声をかける。知った顔を捜すと、コカ・コーラのU事務長と道銀のT事務長がいた。
 「今日は天気に恵まれました。皆さんの日頃の行いということにしておきましょう。先頭は私が旗を持って歩きます。しんがりは道銀のTさん。お願いします」
  I 事務局長のウィットに富んだ挨拶に続き、N常務理事が挨拶した。
 「おはようございます。去年より若干、少なめの人数ではありますが、けがのないようにお願いします。私は腰が悪くて歩けませんので、終点でお待ちしています」

 その手があったか!と思ったが、本当に腰が悪そうだ。
 「どうしたんですか?」と聞いた。
 「去年までは、大丈夫だったんだけど…、長い時間歩くのはダメなんだよ」
 「来月は東京ですよね。飛行機の座席とかは大丈夫ですか?」
 「座る分には、なんともないんだ」
 「一番大事なところですから、気を付けてくださいね。では、ビール園でお会いしましょう」

いざ 出発!

 CPU健保の若手の方のリードでストレッチをし、体をほぐしてから予定通り9時15分に出発した。
 「Uさん。初めてですか?」
 「初参加です」
 Uさんは、去年、私と同時期に赴任したコカ・コーラ健保の事務長だ。ご夫婦で参加していた。
 「今年は、猛暑だったので儲かったでしょう?」関西人のノリで聞いてみた。
 「いやあ、ほんの少しですよ」
 「このご時世で、少しとはいえ儲けを出すなんて、うらやましい限りです。やはり、スーパーやコンビニの売り上げですか?」
 「自動販売機です。それも会社に置いてあるのが一番なんです」
 「そういえば、うちの社に置いてある自販機で買ったら、当たりが出て、お金が戻ってきました。2回も当たりましたよ」
 「そうですか。うちは期間限定で時々やるんですよ」
 「今度、温泉旅行を景品として出してくれませんか?」100円ちょっとの缶飲料で温泉旅行を出せとは、本能が目覚めたとはいえ、我ながらせこい。

真駒内公園は  ランナーだらけ

 一行は真駒内公園に入った。明日は読売新聞主催の「札幌マラソン」がある。公園内のセキスイハイムスタジアムがスタート・ゴールで園路がコースになっているため、多くのランナーがコースの下見と練習を兼ねて走っていた。  
 CPU健保の3歳位の男の子もつられて走っていた。お母さんはベビーカーに乗せた1歳の女の子に掛かりきりのため、グループ全体が一つの家族のように男の子を見守っていた。なんとも微笑ましい光景だ 。

親鮭と対面  豊平川さけ科学館

 さらに歩くと、100メートル先に平屋の建物が見えてきた。
 「あっ、あれ!さけ科学館だ」長女が指を差す。
 「ここからあの看板が見えるなんて、すごいな」
 30メートルほどに近づくと、やっと「さけ」の字が判別できるようになった。
 目は遠く、トイレは近くなる一方だ。

「豊平川さけ科学館」で I さんが撮った唯一の集合写真。どの表情もみごとに切り取っている(北海道連合会提供)

 豊平川さけ科学館は今から26年前に、鮭回帰事業と自然知識を普及させるために作られた施設で、本館、さかな館、実験棟で構成されている。本館に入ってすぐのところに展示ホールがあり、飼育展示室がつながっている。地下の観察室には、この時期だと親鮭を観察できる水槽がある。ブナ(遡上した鼻曲がり鮭)が数匹泳いでいた。

 「記念撮影します。科学館前の芝生に並んでください。撮りますよ。ハイ終了」
 1枚だけ撮ってカメラをしまった。
 (目をつぶっていたらどうしよう。普通2枚くらい撮らないか?)と思ったが、進行役の I さんはいさぎよい。

住宅街で鮭を目撃  真駒内川

 午前10時に再び出発した。幅4メートル、深さ30センチほどの真駒内川に沿って堤防を歩くと、川の真ん中に2匹の魚影が見える。1匹は魚体に赤いまだら模様が出ている。もう1匹はそれより少し小さめだ。
 なんと鮭のつがいが産卵床を作っている場面に出くわした。豊平川を遡上し、支流の真駒内川に入ってすぐの場所で、今まさに産卵しようとしていた。
 住宅街の目と鼻の先で、大自然の営みを垣間見た瞬間だった。

巨大つり橋  ミュンヘン大橋

 豊平川右岸を歩くとミュンヘン大橋のたもとに着いた。ほぼ半分の行程を歩いたことになる。このあと、長さ約171メートルのミュンヘン大橋を渡り、左岸を歩いてウォーター・ガーデンで休憩する。
 車で渡ったことはあるが、歩いて渡るのは初めてだ。2本の柱から幾本もケーブルが延びており、このコンクリート製の大橋が「つり橋」であることを実感する。

 「今度どこ歩くの?」次女が聞いてきた。
 「豊平川の左岸だよ。フランソワーズ・サガンだよ」
 「えっ?」
 親父ギャグは小4の娘には通じなかった。もっとも通じたほうが父親としては心配だが…。

夏こそ来たい  ウォーター・ガーデン

 ウォーター・ガーデンには滑り台、水車、足で発射する水鉄砲などがある。らせん状の透明なポンプを手で回して、上のほうにある出口から水を吹き出す「アルキメデスのポンプ」という珍しい遊具もあった。
残念ながら水路の水は抜かれており、使用期間は終了していた。是非、来年は夏に来たい場所である。

 幌平橋まで来ると、中島公園はすぐそこだ。堤防を上り白石・中の島通りに出て、地下鉄幌平橋口から紅葉間近の中島公園に入った。キタラの前を通って豊平館に到着したのは午前11時半だった。

幻の記念撮影  豊平館

 N常務理事が笑顔で出迎えてくれた。豊平館での記念撮影に参加するためだろう。
 「皆さん、キリンビール園に直行します!」I さんの号令が響く。
 「結婚式の記念撮影の邪魔になるので、我々はさっさと退散します」とも。
 玄関前を見ると、花嫁衣裳を着た新婦が新郎と寄り添っている。カメラマンも準備を進めている最中だった。
 こうして予定されていた我々の記念撮影は中止になった。相変わらずI さんはいさぎよい。進行役としての職務に徹しているのだろう。それとも単に写真嫌いなのか?

これが本命  キリンビール園

 菊水・旭山公園通りに出ると右手に「キリンビール園」が見えてきた。
 玄関に入ると、ジンギスカンの独特の匂いが食欲をそそる。エスカレーターで上がると2、3階が吹き抜けのメインホールになっている。580人収容できるそうだ。私たちが行ったときは4人ほどの観光客がいるだけだった。

 テーブルには、一人1個のおにぎりが用意されており、味付きラムと生ラムのほか、もやし、キャベツ、たまねぎが入ったトレーがセットされていた。
 2時間飲み放題、食べ放題のプランだったが、うちの家族は1時間で満腹状態になった。決して胃が小さい訳ではない。厚切り生ラムや新鮮な野菜に目がくらみ、次から次と「わんこそば」のようにオーダーした結果だ。

 斜め向かいに座った方が我が家の家族構成を見て
 「やっぱり、女の子ですよね。うちは3人いますが、全部女です」
 「お孫さんは、いるんですか?」
 「上の子は30歳ですが、結婚もまだなんです」
 「30歳は適齢期ですよ。これからですね。今は結婚するにしても、嫁に取られるというよりも、息子が増えるという感じですよね」

 「うちは男ばかり3人です」隣に座った北農健保の方が言う。
 「あちゃあ~」周りから同情ともとれる声が漏れる。
 「でも、初孫は女の子でした」と言って、携帯に納められた写真を嬉しそうに見せてくれた。1歳くらいのかわいい女の子が写っていた。

素敵な体験に感謝

 こうして、連合会主催の「歩く運動」はつつがなく終了した。
 「I さん。ありがとうございました。来年も参加しますので、よろしくお願いします」と握手をして別れた。
 過去のコースを調べたが、毎回違うところを歩いていた。主催者が事前に歩いて、危険箇所がないかどうか、綿密にチェックして決めているのだろう。
 ただ、ゴールが必ず各社の「ビール園」だったのには苦笑した。いや、だからこそ参加したのだが、主催者のご苦労に頭が下がる。
 参加費用もそれぞれ所属の健保組合が負担してくれた。

 家に着いて万歩計を見ると、2万という数字が出ていた。家族だけでは決して到達することのできない歩数だ。小学校の低学年姉弟も、お父さんと手をつなぎながら笑顔で歩き通した。皆で歩いたから、我が家の娘たちも泣き言を言わずに歩き通せたと思う。
 秋日和に、こんな素敵な体験ができたことを改めて感謝したい。(清)

Copyright  Hokkaido Shimbun Health Insurance Society.