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北海道新聞社健康保険組合
 

季節だより

vol.10 
◇北海道連合会主催「第36回歩く運動」に参加して
  2011年10月1日(土)

「Wさん。今年はどうする?」
  A常務理事が、健連北発42号「第36回 健保歩く運動」の開催通知を見て聞いてきた。
  去年は、家族4人で参加したが、長女の中学校入学を期に、家族で何かをする機会がめっきり少なくなっていた。
 「参加するにしても、私一人でしょうね。もう、娘たちは付き合ってくれません。」寂しげに答えたが、私の目的が他にあることを、常務理事は気付いている様子で、
 「それでは、しっかり歩いて、しっかり飲んできてください。」と的を射た励ましに脱帽した。

天使と悪魔が同一見解

 去年初めて「歩く運動」の通知を見たとき、真駒内駅前から豊平川沿いを歩き、終点の中島公園までの約8キロのコースが書かれていた。健康的で秋に相応しい企画だと思ったが、参加することまでは考えていなかった。
  しかし、最後に書かれていた、終点から少し歩く「最終目的地」に目を疑った。何度見ても「キリンビール園」と書いてある。
  私の左耳に住みついている天使が「健康のために歩こうよ。」と囁く。
  右耳に居座っている悪魔は「ドサンコならジンギスカン、ジンギスカンといえばビールだべさ。」とがなり声をあげた。
  とりあえず、両耳を満足させるために、参加を決意した。天使と悪魔が同じ意見になることなどめったにない。(詳細は「季節だより」バックナンバーvol.1で)

決行か中止か 主催者悩む

 このところ札幌は雨模様が続いていた。今日も朝から雨が降っている。
「どうですか?できそうですか?」
 道連合会の事務局長で主催者のIさんに携帯で聞いた。
「私は、現地にいるんですが、厳しいですね。中止しましょうか?」
「こちら(厚別区)も降ってますよ。それじゃあ、Iさんから連絡がなければ、残念ですが、中止と判断します。」と言って携帯を切った。
  10分後に、私の携帯が震えた…。
「お父さんどうしたの?まさか、この雨で歩くの?」妻が心配そうに聞く。
「うん。行ける人だけで、決行するそうだよ。俺は午年だからね、ニンジンがぶら下がっているし、歩かない訳にはいかないよ。今日は風がないからポンチョで大丈夫だね。」

「歩く運動」に納得の贈り物

 集合場所の「円山公園自由広場」には、すでに30人ほどの人が集まっていた。
「おはようございます。これをどうぞ。」とI事務局長から手渡されたのは、万歩計だった。ベルトに装着するタイプのものだったが、シンプルで、なによりも表示画面が大きく、ベルトに付けてもはっきり歩数が確認できる。トイレは近く目は遠くなった私には、なによりの贈り物だった。

 参加者は、北農3人、北電1人、道銀2人、道信金3人、楢崎1人、エア・ウォーター2人、道コカ・コーラ2人、道CPU関連8人(うち小学生2人)、渓仁会2人、道医療7人、全国印刷2人、道連合会5人と私を含めた39人(後に主催者発表で38人)。
「北洋さんはどうしたの?」1週間前の会合で顔を合わせ、今日会うことを楽しみにしていた、K事務長がいないので聞いてみた。
「お住まいの地域が、大雨なのであきらめたのでしょう。」
 Y顧問も見合わせたようだ。

雨の決行は天の恵み?!

Tさん(写真左端)の指導でストレッチをする参加者

 去年と同じ人数が揃い、去年と同じCPUのTさんが、インストラクターになって軽いストレッチをしてから旭山記念公園をめざして出発した。
 歩き出してから雨は少し強くなった。先導を連合会のT事務長が務め、しんがりはIさんが務めた。
 このコースを企画・立案し、実際に歩いてコース取りも決めたTさんは、気が気ではなかったはずだ。しかし、自然に抗うことはできない。それは東北大震災でも、台風12号、15号でも体験ずみだ。それより決行できたのだから、風の弱い今日の雨は、逆に天の恵みと考えるべきかもしれない。    

奇跡が待っていた 展望広場

 菊水旭山公園通りの円山墓地を抜け、西友旭が丘店で休憩し、住宅街に入ると軽い上り坂になった。旭山記念公園の入り口からは、木々に囲まれた散策路の勾配はきつくなった。雨も止む気配をみせない。散策路に落ちた枯葉が雨で滑りやすくなっていた。それでも、小学生の男の子と女の子は、前傾姿勢で元気に先頭を歩いていた。
 最後に待っていた急斜面を登ると、いきなり森が拓け、同時に青空も広がっている。展望広場は、雨上がりの爽やかな10月の風が流れていた。
 今朝からの雨で、空気中のチリが水滴で落とされたため、眼下の札幌の市街地がすがすがしく映っている。
  それでも、北区や厚別区は、灰色の厚い雲が垂れ込めていたので、晴れているのはここだけだと分かる。

 旭山記念公園は、札幌創建100年を記念して1970年に開園した。標高は137メートルなので、小高い丘という表現がぴったりだが、視界を遮る障害物がないので、札幌の街並みがはっきり見える。市民には、夜景の名所として知られている。  
 観光客が時折、旭山動物園と間違えて来ることがあるが、見られるのは散歩中の犬と飼い主なので注意が必要だ。



奇跡的に晴れた展望広場での集合写真

「記念写真を撮りまーす。」Tさんは、奇跡的に晴れた青空の下で誇らしげに宣言した。傘の花が開いた集合写真を覚悟していたIさんも、ほっとした様子だ。
  私は、晴れ男を自認している。しかし、IさんとTさんが、それぞれに普段の行いのお陰だと思っているので、そのことは言わずにおいた。


雨傘が日傘に代わった帰り道で吊り橋を渡る

甘く見てはいけない 熊出没

 レストハウスで15分ほど休憩して、午前11時に下山した。「巨木の谷」や「風の丘」という素敵なネーミングがついた散策路を歩く。鉄製の吊り橋を渡って下を見ると、谷の深さに足がすくんだ。
 途中で、「熊の出没注意」という看板が立っていた。道外の観光客を楽しませるための「お決まりの看板」ぐらいに思って通り過ぎた。


9/10に親子熊が目撃されたことを知らせる看板

 翌々日の朝刊を見て驚くことになる。すぐ隣の西野の住宅街に、親熊が現れたという記事が載っていたからだ。場所からいっても、旭山記念公園か藻岩山から来たものに違いない。
 そういえば、看板が立っている後ろの笹やぶで、がさごそと音がしていたのは…。



郷愁の音色はハーモニカ

最後の階段を下りて駐車場に向かう面々

 帰りは駐車場から、来た道を戻る。
 住宅街の坂道を歩いていると、後ろから「となりのトトロ」のオープニングテーマ「さんぽ」が聞こえてきた。
「誰だ?携帯の着信が鳴ってるぞ。」
 しかし、電子音ではない。明らかにハーモニカの音色だ。振り返ると、渓仁会のT事務長が、周りを鼓舞するようにハーモニカを吹いている。
 Tさんは、老健施設や子供たちが集まったときに、ボランティアでハーモニカを聞かせているそうだ。
 郷愁を覚えるハーモニカの演奏に、皆が元気付けられたのは言うまでもない。

 一行は、再び出発点の円山公園自由広場に帰ってきた。予定時刻を15分ほど過ぎていたが、あとは昼食のため、「北海道料理 宮之森」の送迎バスに乗り込むだけだ。

北海道料理?実はビール園

「北海道料理 宮之森」で行われた昼食会

 二十四軒にある「宮之森」の前身は「宮の森ガーデン」で、現在地にはスーパーを改装して新たにオープンした。ラムと野菜が食べ放題で、もちろんお酒も飲み放題。
 CPUのM常務理事の乾杯の音頭で昼食会は始まった。
  いつもなら、ビールのあとは日本酒に切り替えるのだが、ここはサッポロの生ビールを提供していた。それもシャーベット寸前の冷たさで、運動のあとに飲むと旨さも際立った。

Uさん ごめんなさい

 「Wさん。一人で飲んでるような顔をしているよ。真っ赤だよ。」一つ隔てたテーブルに座っていたコカ・コーラのU事務長があきれ顔でこう言った。
「お酒は弱いんです。見ての通りすぐ酔います。ところが、それからが長いので困っちゃうんだよね。」自嘲気味に言い、
「もう少ししたら、コカ・コーラに替えます。」と付け加えると、
「さっき私が頼んだら、ないと言われましたよ。」
「それは、残念です。家族はコカ・コーラの大ファンですが、実を言うと私はペプシネックスが好きです。」と告白すると、Uさんは言葉を失った。
 三ツ矢サイダーと言っても怒るだろうが、ペプシよりましだったかなと思ったが、あとの祭りだった。

道銀のTさんと若者たち

 私の前には、道銀のK常務理事とT事務長が並んで座っていた。
 「新聞社は、全国の地方紙11社と協議会を作って、健保の情報交換をしているのですが、銀行さんは全国的な組織はないんですか?」
 今日初めて、健保組合らしい話をした。
 「地銀はないんですよね。」T事務長が答える。Tさんは、道内健保の兄貴的な存在で、若い人達も彼を慕っている。

 健保組合の若い人達は、とても礼儀正しいことに、いつも感心する。CPUのTさんや道医療のNさんなどが、ビールを注ぎながら挨拶して回っている。礼節と謙虚さを身につけた若い人と会えるのも、この集まりの楽しみの一つだ。

伝統行事の連続記録達成!

  朝は、中止が濃厚だと思っていたが、
「この会は36回を数えますが、過去に中止になったことはありません。」と言って決行したIさんの判断は正しかった。主催者側の強い信念で、80%の降水確率をみごと打ち破ったのだ。
  行程の大半も晴れを想定してのハイキングコースだったので、日が射した帰りの景色は、秋日和を満喫した1日となった 。

 一番ほっとしたのは、IさんとTさんだろう。握手をして別れたが、二人とも満面の笑みで応じてくれたのは、私が晴れ男だからではない。小学生を含めた全員が何事もなく歩き通すことができたことと、「36回」が伝統行事の連続記録として刻まれたからだ。私の歩数計は1万2千歩を表示していた。

 ウォーキングの効用は広く知られている。そのためには、動機としての「歩く切っ掛け」とそれを「継続」することが大切だ。
道連合会は、「歩く切っ掛け」を提供しているので、この伝統を絶やしてはいけない。
 来年もきっと参加していることだろう。はたしてビール園はどこになるのか?有馬記念の予想より楽しみだ。
 こんなことを考えている私の動機は、極めて不純だ。

終わり
Copyright  Hokkaido Shimbun Health Insurance Society.